今回は紙芝居を通じて、社会変革に挑んでいる18期生の山口文子さんより、ほとばしる情熱溢れるメッセージをいただきました。

山口さんのご活躍は、新聞や雑誌でもご紹介されています。
http://www.isshinjuku.com/05jukusei/kiji_22_05_008.html
http://www.isshinjuku.com/05jukusei/kiji_22_05_007.html

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■■■■■ 塾生活動レポート
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■■■     『 今こそ紙芝居で、より良い社会造り人創り 』
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■■■■■■□            一新塾第18期 山口文子


  昨年の後半から今年にかけて、アメリカの株価の大暴落で
“百年に一度の経済危機″という一言では、語り尽くせない、人々の先行きの見えない、大変な時代になりました。

でも、皆さん少し変だとは思いませんか?
1929年、今から凡そ80年前に、アメリカから端を発した株価の大暴落で、確かに日本もその大きな大打撃を受けて、失業者が日本中に溢れ、その失業者の人々が、生きていく為に日銭を稼ぐ、飴や駄菓子を売る道具として、街頭紙芝居が生まれたのです。紙芝居は、人々が生きて行く上で、その英智を結集した結果、偶然に生まれた文化なのです。

 私が、何故今の時代が、80年前と比べて、おかしいと想ったかと言うと、当時の人々との価値観のずれが在るとは思いますが、現代の人々は、行政がなんとかしてくれる。政権が交代したら、景気が回復する希望が持てる。道路の財源を福祉や子育て支援に回してもらわないと、やっていけない。等々…
言い方がきついかも知れませんが、とにかく、自分達が団結して力を合わせるという努力をあまりしないで、政府がなんとかするのを待つ。
そのうち、景気が回復するのを待つ。政権が交代するのを待つ。
私の目から見ると、とても歯がゆいのです。

 そこで私は、他力本願的思考を払拭して、自分なりに出来る形で、人々の気持ちを喚起したいのです。派遣切り、不当な解雇、正社員の首切り。こんな世の中がまかり通って、どうしてみんな黙っておられるのですか?


● 紙芝居で、世の中を本気で変革したい

 私は今から凡そ80年前に、失業者を救済するべきツールとして、日本で生まれた紙芝居で、世の中を本気で変革したいと考えている、大馬鹿者です。
でも、誰かがするのを待つのなら、自分で行動に移すことで、少しでも、
人々が生き易くなってもらえるのなら、やらせて戴く価値は在ると想います。

  それでは、紙芝居でどのように、今の世の中を変革していこうと考えて
いるかと申しますと、それは、一言で言えば、教育の改革に外なりません。
 教育の荒廃が、現代社会の格差を産み、子供達に夢や希望が抱けない世の中になり、自分さえ良ければ構わないという道徳心が欠落し、心優しい人々は、自分自身を信じることを諦め、毎年、年間3万人以上の自殺者が後を絶たず、親は子を殺し子は親を殺め、テレビゲームやバソコン等の擬似体験のみでしか、思考をすることが出来ず、現実と仮想の世界の区別が出来ず、人は死んだら、また生き返ると、本気で信じる。従って、命の尊さと生きる喜びを実感出来ず、人間同士が生で触れ合う機会がなくなって来て、コミュニケーションを上手く図れなくなり、孤立化してしまう。

 私は、紙芝居を普及させて戴くことで、これら、現代社会が抱えている
問題を、少しでもなくすことが出来れば、こんな嬉しいことはないと想って
おります。

 生身の人間が、肉声で語る、優れた紙芝居を、顔を知らない人同士が観ても、全く自然体で作品世界を通じて、共感出来る。紙芝居には、何時でも、誰でも、何処でも、簡単にそんな素晴らしい居場所造りと、共感を味わい、想像力を養い、物事の善悪を、みんなで観ることで培う、素晴らしい魅力を持っていると、私は想います。


●「青空みかん」として奮闘中!

  私のこれからの活動の予定は、どうか「青空みかん」(私の紙芝居の芸名)で、検索下さいませ。主な予定を挙げますと。

 3月 1日(日) 徳島市で、紙芝居ボランティア「おしゃべりくまさん」
          の紙の実演講座
  3月14日(土)大阪市立住吉人権文化センター館祭り
  5月 9日(土)紙芝居の一日公開講座 大阪市立難波市民学習センタ
          講師 童心社会長 酒井京子氏
  5月31日(日)共生共走マラソン会場 大阪市立鶴見緑地公園

  その他、地域の活動と致しまして、私の住いする、大阪市東住吉区の街造りグループ「東住吉アクションプラン」独自の創作紙芝居の製作のお手伝いをさせて戴いております。

 また、大阪市の生涯学習インストラクターの人材バンク登録者として、
要請が在れば、紙芝居の実演や講座を務めさせて戴いております。また、紙芝居を文化として広げて戴ける仲間つくりとして「紙芝居大好きの会」を二年前に発足致しました。

  青空みかんの紙芝居教室も、紙芝居を文化として確立させていく為に、
自宅近くに昨年、開校致しました。今年の3月からは、より多くの実演者が
増えればと考え、大阪市立難波市民学習センターにて、基本的に第三日曜日の午後に開講させて戴くこととなりました。

 いずれにしろ、私の主体的市民としての活動は、誰かがやってくれたり、
政権が交代するのを待つのではなく、紙芝居という、今一番古くて新しい
メディアを遣って、理論と実践を駆使して、人々の心に喚起を呼び起こし
たいと想っております。何故なら、紙芝居は全ての問題をオールクリア
出来る、素晴らしい特性と可能性を秘めているツールであると、私は疑い
のない、信念を持っているからです。

 しかしながら、何ごとも地道な積み重ねを積んでいくことで、大願を成就
出来ると言うことを肝に命じ、これからも、あせらず、慌てず、諦めず、
そしてくさらず、自分の使命を果たして参りたいと想っております。