今回は、一新塾第37期・第39期の小池勉さんのメッセージをお届けいたします。
小池さんは、2015年11月に一新塾に入塾され、「フィールド・フォー・シチズン」
プロジェクトを立ち上げ、神奈川県秦野市を現場に、一新塾の同志と共に活動を
開始されました。

2016年秋に、地元の農家の方に1反の農地をお借りすることができた小池さん
は「柳川名水でつくる田んぼプロジェクト」を始動。数年間放棄されていた
田んぼで有機栽培の米づくりにチャレンジ。1年目の2017年は260Kgを収穫。
2年目の2018年は385Kgを収穫されました。

市民の絆で荒廃農地をゼロを目指す小池さんの志を生きる挑戦をお伝えさせて
いただきます。

 

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塾生活動レポート

『Field for citizen〜市民の絆で荒廃農地をゼロへ』

一新塾37期・39期東京本科 小池勉

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●主体的に生きられない

50歳を目前にして、主体的に生きられない自分。モヤモヤした気分を何とかしたい。
そんなとき偶然に一新塾の存在を知り、説明会に参加しました。説明会で、
「すべての人たちは志を生きられる」という言葉に感動して、この塾は自分の
ためにあると確信、2015年11月に入塾、秦野から一新塾のある田町まで2時間以上
かけて通いました。


●絆をつくる

入塾後に 〜Field for citizen〜 というプロジェクト(PJT)を立ち上げました。
我々が選んだ活動場所は、昭和の田園風景が残る農村地帯である、神奈川県秦野市柳川。
PJTのビジョンはこの地域の素晴らしさを伝え、荒廃農地を解消し、地域に多く
の市民が訪れることで、人や物そしてお金の循環を作り、皆が絆とウイン・ウイン
の関係をつくることです。


●柳川の今

近年は農業に従事する人も減り、年々、荒廃農地が増え続けています。また、
高齢化や少子化問題にも直面しています。地元の方々も様々な地域活動を通じて、
荒廃する農地の解消に取り組んでいました。しかし、その後も柳川の荒廃農地は
増え続けました。


●荒廃農地を何とかしたい

10年ほど柳川で農地を守って活動している先輩と、柳川を一望できる高台で話
をした時のことです。「この10年で柳川にずいぶんと荒廃農地が増えてしまった。
荒廃農地を何とかするには、とにかく人が必要だ。」と話していました。私には
この話が、強く印象に残りました。人を集めないことには、荒廃農地の問題は解
決しないのです。


●転換点

「柳川の荒廃農地をゼロにする。」そんな強い気持ちを持ってはいても、
となりの地区に住み、よそ者である私が、農地を借りることは容易なことでは
ありません。それでも、PJTを通じて創り出すビジョンを伝えていくうちに、
ようやくPJTを理解してくれる人物と出会うことが出来ました。地域の方々と
の思いを重ねていく中で、この柳川の素晴らしい風景が100年後も続いていくように。
我々が、農村部と都市部の架け橋となることを決意しました。そして2016年の秋に、
地元の農家の方から1反(1000平方メートル)の田んぼを借りることが出来たのです。
荒廃農地ゼロを目指して「柳川名水でつくる田んぼPJT」のスタートです。


●環境に優しい田んぼへ〜一年目の挑戦

柳川の地は環境省の全国名水百選選抜総選挙で1位となった湧き水が流れ、
初夏にはホタルが舞います。絶滅危惧種である、アカハライモリやホトケドジョウ
も見られるなど豊かな自然が残っています。私自身、田んぼでお米をつくった経験
はありませんでしたが、PJTメンバーを中心に、地元の農家の方々や、職場の
稲作担当の普及員の協力のもと、柳川でのお米つくりが始まりました。

数年間放棄されていた田んぼで、自然環境に影響を与える化学農薬や除草剤を
使わず、有機栽培という一年目からハードルの高いお米つくりにチャレンジしました。
6月には40名もの田植えボランティアと共に、お米の苗を手で植えました。

しかし一年目の田んぼはトラブルが続出しました。除草剤不使用のため、毎日
のように田んぼにはびこる草と格闘しました。また、自然の猛威にも苦しめられ
ました。台風では稲が倒され、毎日のように現れるイノシシに、防獣ネットを食い
破られ稲が踏み倒されました。収穫の時期には雨にたたられました。鎌を使っての
稲刈りはひと月かかりました。

多くのトラブルに見舞われたにも関わらず、PJTメンバーや地元の農家の方々の
協力で、お日様で丹念に干したお米を、260kg収穫することが出来ました。
そして1反(1000平方メートル)の耕作放棄地が田んぼに甦ったことが、
何よりの収穫でした。


●二年目の挑戦

田んぼPJTは、一年目に苦しめられた様々な問題に対する対策を徹底しました。
反省会で浮かび上がった五つの大きな問題点は、

(1)苗が小さく植え付けに苦労した。
(2)除草剤不使用のため草が大発生した。
(3)イノシシ侵入防止用のネットを食い破られ稲が踏み倒された。
(4)お米の収穫機械が無かったため稲刈りが大変だった。
(5)田んぼの排水溝が詰まっていたため田んぼの水はけが悪く作業性が悪かった。

これらの対策のため問題点の改善に取り組みました。

(1)苗を大きくするため、タネのまき時期を早めた。
(2)田んぼを深水とすることで、除草剤不使用でも草の発生をかなり抑えることが出来た。
(3)イノシシやシカの侵入を防ぐために電気柵を設置した。
(4)収穫用の機械(バインダー)を購入した。
(5)田んぼの排水を良くするために、詰まっていた田んぼの排水管を清掃した。

このように、問題をひとつひとつ解決することにより、二年目の田んぼでは
前年の1,5倍の385kgのお米を収穫することが出来ました。そして何よりも
田んぼを通じて地域との絆が深まっていきました。


●フィールド・フォー・シチズン

これまでの二年間は、柳川のご先祖さまが大切にしてきた、田んぼをお借り
する訳ですから、とにかく無我夢中でお米つくりに邁進してきました。メンバー
からは田んぼのことばかり考えていて、近視眼的だと揶揄されたこともあります。

ただPJTの目的は、荒廃農地の解消を通じて地域に多くの市民が訪れ、
人や物そしてお金の流れを作り出し、絆とウイン・ウインの関係をつくることです。
今後はメンバーも増やし、田んぼ以外のPJTも立ち上げ、スピード感を持って
荒廃農地の解消に取り組むことが求められます。我々の団体「フィールド・フォー
・シチズン」は任意団体であり、市民が楽しく活躍する場を提供することを目的
としています。地域の自然を生かした環境にやさしい市民が楽しめるPJTを
増やして、荒廃農地ゼロを目指します。


●今後の展望

活動が二年目に入る「柳川名水田んぼPJT」そして、「真竹を食べよう」竹林
整備PJT、「地ビールを飲もう」ビール麦、ホップつくりPJT、落ち葉堆肥を
つくろうPJTなどが現在進行中です。これからも、「シイタケを食べよう」
原木シイタケつくりPJT、有機栽培でサツマイモをつくろうPJT、田んぼで
案山子まつりPJT、なども計画中です。このように荒廃農地を活かした市民参加型
の楽しいPJTは次々に立ち上がっています。

今後は、FB、地元のタウン誌への掲載により都市部の市民、近隣の自治会、
小中学校、大学生ボランティアなど広く呼びかけを行い、自然とふれあう仲間を
増やしていきます。そしてPJTに参加するメンバーが、PJTリーダーとなり、
多くの荒廃農地が、我々に多くの絆をもたらしてくれる日を目指してこれからも
楽しく活動を続けていきます。

 

 

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