今回は、佐々木隆宏さんのメッセージをお届けいたします。

 

佐々木さんは35年間、開発援助の実施機関に勤務。東南アジアを中心に
グローバルに現場の最前線でご活躍の経験をお持ちです。

 

役職定年を転機に、2017年11月に一新塾第41期に入塾されました。
プロジェクトを立ち上げ、横浜市鶴見区の現場を歩き、メンバーと共に
フィリピンに足を運び、現場主義の奮闘をずっと続けていただいて
おります。そして、一新塾で出会った同志とともに、2019年3月に
株式会社reapleを起業されました。

 

佐々木さんの志を生きる挑戦をお伝えさせていただきます。

 

■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■

塾生活動レポート

『開発援助が培った成果を日本へ還流−reapleの取組み』

一新塾41期 東京本科 佐々木隆宏

■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■


●転機

役職定年になり、大学に出向したことが転機でした。
それまでのサラリーマン人生は、就職浪人までして希望の仕事に就いた
開発援助機関の35年間、多くの途上国の発展の現場に関わることができました。

役職を離れてわかることは、実は役職で仕事をしてきたということです。
これまで大きな組織に所属して安定的な生活を志向してきた自分は何が
できるのだろうか、ゼネラリストとして生きてきたので専門性もない、
強いて言えば、東南アジアの生活経験とそのネットワーク、それは
ビジネスになるか等々もやもや感が一杯でした。


●reaple設立

そんな中で受講したのが一新塾です。
6つの箱を回す過程で自分は何がしたいのか、
何ができるのか考えるようになりました。

もう一度、自分のキャリアを振り返り、新しいスタート切るために、
かけがえのないメンバーを見つけることができました。

私たちの設立した株式会社reapleの取組みをご紹介させてください。
reapleは、reap(収穫する)とripple(波紋)の造語です。
これまでの人生で関わった政府と政府に対して協力から生まれたアセットを
日本に還流させ、一人一人の自己実現を応援したいという思いで始めました。


●見えてきた地域の国際化

皆さんもご存じの通り、一新塾の社会起業は地域志向です。
まずは、幼少から過ごした地元鶴見を対象として調べたところ、
全く知らないフィリピンを含めたアジアとの関係や歴史があったことを
知りました。

見えてきた地域の国際化は本当に多様でした。
毎週400人以上の外国人が集まる教会はセーフティネットとして
人々の暮らしを守ります。地元の中学・高校で行われる国際学級も
非常に活発で、中南米からの日系人も多く住み着いています。

他方、根底にある差別意識、外国人排斥の動きも垣間見ました。
フィリピンの関係では一時盛んだった「ジャパゆきさん」から続く
貧困も実在しました。フィリピン人の留学生からは、「日本人は
フィリピン人を安い労働力としか見ていない」という厳しい発言も
聞かされました。

そんな中で、日本で生まれた2世がフィリピンのアイデンティを意識し、
高校時代に留学、フィリピンとのリコネクションすることで、その後
人生を大きく変えた事実も知りました。

日本とフィリピンで新しい関係を作ることが、お互いの価値を高める
につながると思いました。私がこれまでの途上国の方々と一緒に
働いた経験を生かせるのではないか、そんな風に考えました。


●一新塾の仲間と起業を決意

プロジェクト活動を通じ、かけがえのない仲間を得る、これも、
大きな一新塾の特徴です。私とは全く違うキャリアのメンバーで
プロジェクトを立ち上げました。

まずは、フィリピンとの新しい関係作りを考えるために、2018年8月
にダバオに行きました。ダバオは戦前、沖縄から多くの日本人が
移民していた地域です。そこで、開発援助のプロジェクトに関わって
いたダバオの産業クラスターの方々と、日本とフィリピンの新しい
関係についてブレーンストーミングを行いました。

若い人材が多くいるフィリピンの特徴を生かし、将来80万人の不足
するIT人材を日本へ派遣することを一つの柱にすることに決めました。
英語人材でもIT企業では活用できるはず、そんな目論見でした。

2019年1月、100人を超える学生との個別面談やアンケート調査を通じて、
アニメや技術の関心から日本への強い憧れを持つ学生も多いことが
わかりました。

私たちが始める事業に対してリソースとしての強い可能性を確認、
ファウンダーとなった一新塾の仲間とともに起業を決意しました。


●本当のお客様は誰か?

2019年3月に会社を立ち上げ、IT人材であればさほど日本語ができなく
ても採用されるという仮説を立て本格的に営業を開始しました。
英語人材としても雇用が広がっている専門人材と違い、新卒相当の
ジュニア人材には日本語ができない人材にはニーズがありませんでした。
ITならば英語だけで仕事ができる、英語が活かせるはずという仮説は
大きく崩れました。

これまでの私のお客様は途上国の方々であり、100人を超える学生の
意見を聞いたフィリピン人材をお客様と考えていました。これは大きな間違い、
本当のお客様は誰か、当たり前の話ですが日本の企業の方々です。
中小のIT企業のお客様は、新卒採用は難しくても日本語のできない人材
の採用までは考えていません。営業活動はアポすら取れない状況も続きました。


●フィリピンの若い人が日本で働く

大きく軌道修正をする必要がありました。お客様が日本語人材を必要で
あれば、そうしたニーズに応える必要があります。

そこで、ダバオの大学や日本語教育機関とも連携し、日本語教育を始める
べく現在準備中です。フィリピン人が日本語を学ぶことで、日本企業で
働く機会を増やしことにつなげます。

徐々にですが、日本の企業にも、ダバオを見てもらう機会も増えてきています。
私たちが紹介することでフィリピンの若い人が日本で働くことができる、
フィリピン人の対象者が具体的に見えることでやりがいと手応えが出て
きました。これからも一人一人と丁寧に、真摯に向かい合いながら、
私たちも学びながら変化していくことが、reapleの価値だと考えています。


●人生100年、まだまだ新しいことに挑戦

最後に、一緒に一新塾でプロジェクトを始め、起業をしたかけがえのない仲間
である小南美奈子さんは、長年IT企業で勤務されたビジネス経験が豊富な方です。
フィリピンは全く初めてでしたが、全く異業種の仲間がいたからこそ、新しい
価値を見つけ、変化をし続ける強さを作り出すことができたと思います。
かけがえのない仲間と始めたセカンドキャリア、人生100年、まだまだ新しい
ことに挑戦し続ける覚悟です。

 

 

■誰もが志を生きる一新塾

3月からの「体験セミナー&説明会」予約受付中!
〜東京・大阪・名古屋・仙台・通信〜

<社会起業・政策提言・市民活動>
https://www.isshinjuku.com/